リハビリテーション部

リハビリテーション部の理念

脳卒中や骨折など、リハビリテーション(以下、リハビリと略します。)を必要とされる患者様に入院及び外来にて、短期集中的なリハビリを提供することにより、早期の在宅復帰・社会復帰を目指します。

特色

リハビリ部では、理学療法(運動療法と物理療法)・作業療法(日常生活動作訓練)・言語療法(コミュニケーション・摂食嚥下)を中心とした診療を行っています。対象疾患としては、脳血管疾患、骨関節疾患、神経 ・筋疾患による障害を主に、循環器疾患・呼吸器疾患・心理的疾患などに引き続いて発生した障害も含め治療します。
松山市のほぼ中心部に位置する当院は、当院かかりつけの患者様だけでなく、市内の急性期病院で急性期を終えられた患者様も積極的に受け入れ、強力な在宅復帰支援を発揮します。そのためには、最新施設をフル活用すると共に退院前の訪問指導も積極的に行い、住宅改修のアドバイスもさせていただきます。退院後のフォローについては、患者様居住地域にある既存の在宅ケア事業所へ確実に移管させていただきます。

体制

入院患者様は、350日リハビリ(祝・祭日を除いた日)体制にて実施いたします。
外来患者様は、月・火・金・土・日曜日(水・木・祝・祭日を除いた日)にて実施いたします。

施設

モデルハウス

モデルハウス

シミュレーション室

シミュレーション室

リハビリ棟は完全バリアフリーで、訓練フロアには理学療法室・作業療法室・言語療法室・物理療法室の各スペースをワンフロアに配備して利便性に配慮すると共に、モデルハウスを設けて在宅復帰を目標とした訓練を重視しています。また、作業療法室にはシミュレーション室があり、浴室・トイレなどの住宅改修の支援をいたします。

理学療法

理学療法室

理学療法室

運動療法

脳血管障害後遺症、骨折、肺炎・手術後の廃用症候群(寝たきりによる弊害)などで身体に障害のある人や障害の発生が予測される人に対して、基本動作能力(座る、立つ、歩くなど)の回復や維持、および障害の悪化の予防を目的に、運動療法や物理療法(温熱、電気等の物理的手段を治療目的に利用するもの)また、必要な場合においては装具・義肢などを用いて治療します。
理学療法の直接的な目的は運動機能の回復にありますが、一人ひとりの背景や目標を見据えて、基本的な生活動作の改善を図り、最終的にはQOL(※1)の向上も目標に訓練を進めていきます。
退院に際しても、必要がある場合には作業療法士や社会福祉士と共同で自宅に伺い、住宅改修や生活に関するアドバイスをさせていただきます。

個々の身体機能や痛みの
評価・分析を行います。

関節可動域検査・徒手筋力検査動作分析をなどを用いて身体機能や痛みの評価と分析を行います。

基本動作能力の改善を
行います。

「起き上がり」「立つ」「歩く」などの日常生活の不可欠な基本動作能力の獲得を目指します。

※1 QOL(quality of life)
「生命の質」、「生活の質」、「人生の質」と複数の意味があり、状況によって使い分けられています。

物理療法

物理療法

主に整形外科疾患の消炎鎮痛を目的に、物理的エネルギーを用いる療法です。温熱療法では温熱の作用により軟部組織を柔らかくし関節の可動域を拡大したり、患部の血管拡張により循環が改善され痛みが軽減されます。電気療法では主に、低周波などの通電により、筋肉の緊張を和らげ痛みを軽減します。また、通電を利用し、麻痺した筋肉に対し再教育なども行います。牽引療法では脊椎を伸張することにより、しびれを軽減させます。マッサージでは、首・肩・腰などの痛みや手足の痛み・しびれ等に対し、原因となる部位に対し直接施術し、それらを取り除きます。

超音波骨折治療法

従来、骨癒合過程を促進する医療技術はありませんでしたが、超音波骨折治療法を骨折の手術後に追加することにより、通常よりも40%程度、骨癒合までの期間が短くなることが期待され、遷延癒合になる可能性を低減することが期待されます。
超音波骨折治療法は、微弱な超音波を1日1回20分間、骨折部に当てることで骨折治癒を促進する治療法です。対象は、四肢の骨折で骨折後3ヶ月以上経過して治癒が通常より遅い難治性骨折の場合や四肢の骨折の手術後で、受傷から3週間以内の場合(骨折の状態により実施するか判断します)に適応されます。
なお、骨折の治癒期間は、骨折部や周辺組織の損傷程度、全身状態(喫煙など)によって長引いたり、時には骨癒合が得られないこともあります。骨折の状態により、本治療法で促進した場合でも、そのようなケースが起こりうることをご理解ください。

超音波骨折治療法

作業療法

作業療法室

作業療法室

脳血管障害後遺症、骨折、肺炎・手術後の廃用症候群(寝たきりによる弊害)等の疾患を主に、基本能力(運動機能・精神機能)、応用能力(食事やトイレなど、生活で行われる活動)、社会生活適応能力(地域活動への参加・就労、就学の準備)に対しての訓練を行います。また、環境(人的環境・物理的環境)の調整、社会資源や諸制度の活用を促します。

上肢の機能低下に対し、様々な作業を通し機能回復を図っていきます。

主に上肢・手指の巧緻性を高めて身の回り動作の自立を促します。

応用動作能力・社会生活適応能力に対しての訓練を行っていきます。

個々の身体機能に合わせて食事・排泄・入浴等の訓練を行います。

訓練内容として、
  1. 1)移動・食事・排泄・入浴等の日常生活活動に関するADL(※2)訓練
  2. 2)家事・外出等のIADL(※3)訓練
  3. 3)作業耐久性の向上、作業手順の習得、就労環境への適応等の職業関連活動の訓練
  4. 4)福祉用具の使用等に関する訓練
  5. 5)退院後の住環境への適応訓練
を行っていき「その人らしい生活の獲得」を目指します。

また、理学療法士や社会福祉士と共同で住宅改修のアドバイスも行います。

※2 日常生活動作(ADL:Activities of Daily Living)
食事、排泄、更衣、整容動作など、ひとりの人間が独立して生活するために行う基本的な、しかも各人ともに共通に毎日繰り返される一連の動作群のことをいいます。
※3 手段的日常生活動作(IADL:Instrumental Activity of Daily Living)
日常生活を送る上で必要な動作のうち、ADLより複雑で高次な動作をさします。例えば、買い物や洗濯、掃除等の家事全般や、金銭管理や服薬管理、外出して乗り物に乗ること等で、最近は、趣味のための活動も含むと考えられるようになってきています。

言語療法

ことばによるコミュニケーションには言語、聴覚、発声・発音、認知などの各機能が関係していますが、病気や交通事故、発達上の問題などでこのような機能が損なわれることがあります。言語聴覚士はことばによるコミュニケーションに問題がある方に専門的サービスを提供し、自分らしい生活を構築できるよう支援する専門職です。また、摂食嚥下(飲み込み)の問題にも専門的に対応します。
特に当院では、失語症、運動障害性構音障害、摂食嚥下障害の方が多く、言語聴覚士がこのような問題の本質や発現メカニズムを明らかにし、対処法を見出すために検査・評価を実施し、必要に応じて訓練、指導、助言、その他の援助を行います。

「話す」「聞く」などの障害を持つ方を専門的に対応します。

ことばによるコミュニケーションに問題のある方に、専門的なサービスを提供します。

「上手く飲み込めない」方に対して、専門的な検査を行います。

入院患者様に対し、医師・看護師放射線技師らと共に、嚥下造影検査・嚥下内視鏡検査も行います。

嚥下造影検査(VF)

嚥下造影検査は、レントゲンをあてながら、バリウムの入った模擬食品を実際に口から食べていただいて、口から食べる機能に問題がないか調べる検査です。

食べる前

食べた後(喉に食べ物が残った状態)

透視室

透視室

嚥下内視鏡検査(VE)

嚥下内視鏡検査は、鼻から細いファイバースコープを挿入した状態で食べ物を食べていただく検査です。喉の構造や食べ物・分泌物の貯留の様子がわかります。

ベットサイドでのVE場面

ベットサイドでのVE場面       

正常な喉

分泌物がたまった状態

食べ物が残った状態

専門チーム

リハビリ部では、より専門的なリハビリを提供することを目的として、@ポジショニングチーム Aシーティングチーム B整形対応チーム C呼吸対応チームの4つのチームを編成しています。

ポジショニングチーム

ポジショニングってなに?

ポジショニングとは、身体に機能障害を有した患者様に姿勢観察、身体評価を行った上でクッションや福祉用具などを活用して、目的に適した姿勢を提供する技術です。

ポジショニングの必要性

ポジショニングの対象は、廃用症候群、整形外科疾患、脳血管障害など様々ですが、当院では廃用症候群により活動性が低下し筋萎縮や関節拘縮(関節が硬くなり曲げ伸ばしが困難な状態)を伴った患者様の褥瘡(床ずれ)予防や安楽姿勢の獲得を目的にしたポジショニングや整形外科疾患・脳血管障害などで身体機能が低下した患者様の今後の機能向上を目的にした治療的なポジショニングを対象者に合わせて実施しています。

当院ではポジショニング実施時にリハビリスタッフのみではなく、必要時には褥瘡治療専従看護師が同行しています。多職種が関わることで様々な情報の交換・共有が可能となります。また、シーティングチームと合同での勉強会、看護職と共同での勉強会を開催しており、ポジショニングに対する知識や技術の向上と共有を実施しています。

シーティングチーム

シーティングってなに?

シーティングとは「座位保持」や「椅子・車いす使用者の身体的ならびに社会的適合」などといわれています。また、車いすを「身体に適合」するだけでなく、「身体から車いすへの適応」も重要となり、身体機能の変化を確認し、目的に合わせたシーティングを実施します。

適切な座位保持ができるようになることにより、以下の効果が期待されます。
  • * 体の傾きや前すべりが改善され、座っている姿勢がよくなる
  • * 座りごこちがよくなり、車いすに座る時間が増える
  • * 座っていることから生じる、お尻や腰などの痛みが緩和される
  • * 褥瘡(床ずれ)の予防や改善が図れる
  • * 車いす上での不良姿勢から生じる誤嚥が防げる
  • * 車いす上でのずり落ちをなくし、身体拘束を防げる
  • * 日常生活動作が自立する、あるいは介助量が軽減する
  • * 車いすの移動能力の維持や向上が図れる
  • * QOLの維持や向上が図れる
  • * 車いすと生活環境の適応が図れる 等

シーティングの必要性

適切な座位姿勢を保持するためには、身体状況と現在や将来の生活環境を評価した上で、その人にあった車いすや車いす用クッションを選択する必要があります。シーティングチームでは、椅子・車いすにうまく座れないことで日常生活に問題が生じている方の姿勢を評価し、その方の目的に合わせて車いすを選定・調整・適合を行い、「活動的な姿勢」・「安定した姿勢保持」の獲得を目指します。
また、車いすの選定・適合・調整だけでなく、評価に沿った訓練を行うことで、目的(食事・駆動・移乗・褥瘡治癒等)にあった身体機能の回復を目指します。座る姿勢が良くなることによって、座り心地が改善し活動時間が増えることで日常生活動作の自立を促す効果が期待でき、生活動作能力及び生活の質の向上に繋がります。

褥瘡(床ずれ)の危険性を確認

褥瘡(床ずれ)の危険性を確認

体圧分散測定装置

シーティング前

シーティング前

シーティング後

シーティング後

・赤色…褥瘡(床ずれ)の危険性大
・青色…褥瘡(床ずれ)の危険性小

シーティングを実施することにより褥瘡(床ずれ)が改善されました。

整形対応チーム

高齢者から学生まで様々な年齢層の方々が日々リハビリに励んでいます。その中でも高齢者の転倒に伴う骨折の術後や、人工関節置換術後の患者様など、様々な整形外科疾患を対象にリハビリを行っています。
整形対応チームでは、その方々に対し患部に対するアプローチは勿論のこと、患部外に対するアプローチも行い、運動機能の維持・改善に努めています。また、状況に応じて様々な視点から受傷起点の再発予防に力を入れ、QOLの向上を目指します。
また、個別リハビリに加え、CPM(持続的関節他動訓練器)などの治療器具の使用や自主トレーニングを指導しています。

呼吸対応チーム

呼吸リハビリとは、医師の指示により慢性閉塞性肺疾患(COPD)・肺炎等の呼吸器疾患に対して運動療法や呼吸指導・日常生活動作の指導によって症状の緩和・改善を図るものです。また、呼吸器疾患以外でも開腹術といった手術の前後において呼吸器リハビリの有効性が認められており、早期離床や排痰法の練習により術後の合併症の予防につながると言われています。
当院では理学療法士(呼吸療法認定士資格取得者)が中心となり呼吸対応チームを編成しています。