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呼吸器センター・呼吸器外科
診断から治療まで一貫した
呼吸器診療を行っています。
2025年4月より本格的に呼吸器センターを開設し、愛媛大学先進呼吸器外科学講座と連携して、診断から治療、胸部手術など幅広く対応しています。
呼吸器外科医および放射線診断・IVR科医師による体制のもと、CTガイド下生検、カテーテル治療、ラジオ波焼灼術など、先進的な画像下治療にも対応しています。
また、愛媛大学附属病院呼吸器センターのサテライトセンターとして、大学と密接に連携し、重症例にも切れ目のない診療体制を整えています。
実施している主な治療項目
- 原発性肺癌
- 転移性肺腫瘍
- 肺良性腫瘍
- 嚢胞性肺疾患
- 気胸
- 感染性疾患
(肺アスペルギルス症、肺膿瘍、膿胸など)
- 胸膜中皮腫
- 気管・気管支腫瘍
- 縦隔腫瘍
せき、たん、血たん、胸・背中・肩の痛み、呼吸困難、胸部違和感、倦怠感、体重減少などの症状がある方、または症状がなくても健康診断や胸部レントゲン、CTなどで異常を指摘された方が対象になります。
担当医紹介
Sano Yoshifumi
- 診療科
- 呼吸器センター
- 専門
- 日本外科学会外科認定医・日本呼吸器外科学会専門医・指導医・がん治療認定医・日本呼吸器学会呼吸器専門医
- 所属学会
- American Society of Clinical Oncology・European Society of Thoracic Surgeons・International Association for Study of Lung Cancer
- 卒業大学 / 年度
- 山口大学 医学部 / 昭和60年(1985年)
Makihata Satoshi
- 診療科
- 呼吸器外科
- 専門
- 日本外科学会・日本呼吸器外科学会・日本胸部外科学会・日本内視鏡外科学会
- 卒業大学 / 年度
- 福岡大学 医学部 / 平成5年(1993年)
ごあいさつ
2025年4月より愛媛大学客員教授 佐野由文教授の赴任に伴い、本格的に呼吸器センターを開設する運びとなりました。
センターには常勤の巻幡 聰医師(呼吸器外科)に、佐野由文医師(呼吸器外科)が加わり、様々な呼吸器疾患の診断、治療とともに、様々な胸部の手術も可能となりました。
また、放射線診断・IVR科(放射線科)の田中宏明部長は、愛媛大学付属病院および県内の多数の関連病院において、非常に多くのインターベンション治療(IVR治療)・画像下治療(放射線カテーテル治療やCTガイド下治療など)を経験しており、県内でも指導的立場として高難度の治療を提供しています。
当院においても呼吸器部門として肺や縦隔の腫瘍に対するCTガイド下生検による確定診断や、肺動静脈ろう・慢性喀血症のカテーテル治療、肺癌を焼いて治すラジオ波焼灼術(準備中)等の様々な先進医療も可能となります。内科部門では、週1日土曜日および日曜日隔週に呼吸器内科の専門医による専門外来が開設されており、それ以外の曜日には、巻幡および佐野が担当します。
さらに、当センター最大の特徴は、愛媛大学附属病院呼吸器センターとの非常に強いつながりを形成している点です。当センターは、「愛媛大学附属病院呼吸器センターのサテライトセンター」としての役割を持って開設されたため、当センターで診断や治療に難渋するような症例は、即座に「愛媛大学附属病院呼吸器センター」に送ることができ、また愛媛大学で落ち着いた症例は、ご家族の利便性なども考え、当院に送り返して引き続き加療するといった、シームレスにリンクした診療体制が形成されています。
「愛媛大学附属病院」は、県内随一の診療科、医療スタッフ、設備を有しており、最先端の医療を受けることが可能です。特に「呼吸器センター」は、最高の医療レベルを有する呼吸器内科、呼吸器外科に加え、腫瘍内科、放射線科も一緒になって最高の医療を提供することが可能になっています。
したがって、「南松山病院呼吸器センター」と、「愛媛大学附属病院呼吸器センター」がタッグを組むことによって、重症呼吸器疾患に関しても、心配のない診療体制が作られているといえます。
“Best Doctors in Japan 2024-2025” に選出
呼吸器センター長の佐野由文医師(呼吸器外科)が “Best Doctors in Japan 2024-2025” に選出されました
「ベストドクター」は、ベストドクターズ社が行っている「自己または家族の治療を、自分以外の誰に委ねるか」という観点による医師同士の相互評価(ピアレビュー調査)によって選出されています。
なお、現在の日本のベストドクターは約6,500名(2020年3月現在)です。佐野由文医師は、2012年より2025年に至る14年間、連続して ”The Best Doctors in Japan” に選出されています。

はじめての方へ
初診時は、かかりつけ医(定期的な通院や主な処方をしていただいている医療機関)からのご紹介が望ましいですが、かかりつけ医がなくても外来診療は可能です。
保険証をご持参いただき、初診受付にて手続きください。かかりつけ医からの紹介状(診療情報提供書)をお持ちの方は、初診受付時に保険証とあわせてご提出願います。尚、初診時の予約は不要ですが、事前にホームページなどで外来診療日をご確認いただきますよう、お願いいたします。
呼吸器外科部門とは?
近年、高齢化社会や生活環境、生活習慣の変化等に伴って、呼吸器に関連する疾患は増加の一途をたどっています。特に問題となっているのは「肺がん」で、現在日本人の死因の第一位である「悪性新生物(がん)」の中で最も多いのが「肺がん」です。
当呼吸器外科部門では、まずこの最大ともいえる難敵である「肺がん」を、愛媛大学附属病院呼吸器外科とタイアップして、診断から最新医療までスムーズに行えるシステムを作りました。
次のような症状を扱っています
せき、たん、血たん、胸・背中・肩の痛み、呼吸困難、胸部違和感、倦怠感、体重減少などの症状がある方、または症状がなくても健康診断や胸部レントゲン、CTなどで異常を指摘された方が対象になります。
対象疾患
- 1. 原発性肺癌
- 2. 転移性肺腫瘍
- 3. 肺良性腫瘍
- 4. 嚢胞性肺疾患
- 5. 気胸
- 6. 感染性疾患
肺アスペルギルス症、肺膿瘍、膿胸など
- 7. 胸膜中皮腫
- 8. 気管・気管支腫瘍
- 9. 縦隔腫瘍 など
当科で行う手術について
胸腔鏡下手術・縮小手術
呼吸器外科手術は、胸腔鏡という内視鏡を用いて行われることが多く、当院でも上記疾患に対して、治療及び診断目的に胸腔鏡を用いて可能な限り低侵襲手術に努め、入院期間の短縮を目指します。
また、高齢者や合併疾患を持たれている患者さん、以前に手術を行っておられる患者さんなどに対して、胸腔鏡に加え、縮小手術(切除範囲を少なくすることによって侵襲を少なく、機能を温存する)を積極的に取り入れることによって、より体に優しい手術、治療を心がけ、実践しています。
単孔式胸腔鏡下手術
単孔式胸腔鏡手術(Uniportal VATS)は、2.5〜4cmの皮膚切開を1か所のみで行う、身体への負担が非常に小さな手術です。
単孔式胸腔鏡手術研究会の創設メンバー(監事)である佐野が中心となって実施しており、従来の胸腔鏡手術と同様の手術が可能です。術後の痛みが少なく、回復が早いことが期待できます(症状には個人差があります)。


肺がん手術
9割以上の方に胸腔鏡を使用し、3-5cm1ヶ所と1cm2ヶ所の皮膚切開で肺切除を行います。高齢化社会を反映し、70~80歳でみつかる肺がんも多いですが、低侵襲手術は高齢者でも比較的安心して治療が受けられます。
また、入院中は呼吸療法理学療法士を中心とした呼吸リハビリテーションに取り組んでいます。入院日数は、合併症なく順調に経過すれば術後5~7日以内を目標としておりますが、術後の症状、不安、ご家族の送迎の都合などで、ご希望があれば2週間程度入院いただいております。
肺がん治療について
かかりつけの病院や健康診断で肺に異常があると言われ、専門医の診察をすすめられた場合には、早めに受診することをお勧めします。他の臓器と比べて肺がんは転移や再発がしやすいがんといえますので、早い段階で見つけて治療をすることが非常に大切です。
精密検査の結果、肺がんと診断された場合、治療として①手術療法、②薬物療法、③放射線療法などがあり、それぞれを併用したりもします。どの治療が最適か、基本的にはがん組織のタイプと進行度(病期:ステージ1~4期)、年齢、活動性(体の元気さ)などによって決まってきます。
肺がんのタイプは、大きく「小細胞肺がん」と「非小細胞肺がん」の2つに分けられます。
「小細胞肺がん」は抗がん剤治療に敏感なので、薬物治療の対象となり通常手術は行われません。
「非小細胞肺がん」は、ステージ1~3期の一部までが手術の対象となり、再発しないことを目標とした根治的手術を行います。ステージ3期のやや進んだものや4期の場合は、手術による治療効果は限定的で、薬物療法や放射線治療などが行われ、主にはがんとの共生を目指します。近年、遺伝子治療薬や免疫治療薬など新薬が続々と開発されるに伴い、肺がんの治療成績は向上しており、余命数か月程度と思われた患者さんが数年生存されることも稀ではありません。 さらには、放射線治療のピンポイント照射は、早期の2㎝程度までの小さい腫瘍の段階であれば手術と劣らない成績も報告されるようになっており、高齢者や持病で手術リスクが高い方などには放射線治療を勧めることも増えています。
ひと口に肺がんといっても、100人いれば100人異なり、治療にも様々な選択肢がありますので、当科をはじめとした専門医へのご相談をおすすめいたします。
気胸センター
気胸手術
まずは手術が最適か判断した後、手術症例については、ほぼ全例胸腔鏡手術を行います。5~10mmの皮膚切開を3ヶ所行って、細い胸腔鏡を使用します。胸部に残る創を最小限にするため、2.5cm程度の創一箇所のみで手術を行う最新式の「単孔式胸腔鏡下手術」も積極的に行っております。
手術時間1時間程度、入院日数は肺がん手術よりは短く、術後4-5日以内を目標とします。術後1-2日で退院とする施設もありますが、痛み、創の処置、合併症などをしっかりと観察するうえで早すぎる退院を無理強い致しておりません。
気胸センターについて
いろいろな原因で肺が縮んでしまう病気「気胸」の発症は時と場所を選びません。若年層での発症も多く、場合によっては生命にも直結する恐ろしい病気です。
当院では患者さんのいろいろな事情に合わせて、できるだけ速やかに、最大の効果が得られる方法で、診断から治療、さらには経過観察まで行えるセンターとしてのシステム作りをしております。
気胸の分類
- 自然気胸
- (ア) 特発性自然気胸
気胸の原因として最も多く、若いやせ型の男性に好発します。肺にできた嚢胞(ブラ)の部分が破れることで起こる気胸です。特に誘因はなく、どのようなときにも起こる可能性があります。
(イ) 続発性自然気胸
肺気腫、肺癌、肺炎、間質性肺炎などのもともと肺に疾患があり、これらの疾患が原因で起こる気胸です。特発性自然気胸とは異なり、肺に疾患のある高齢の方に起きやすく、なかでも喫煙が原因となる肺気腫で起こることが多いことが知られています。
- 外傷性気胸
- 外傷(交通事故や転落等)により肺が破れて起こる気胸です。
- 医原性気胸
- 医療行為が原因で起こる気胸です。特に針を用いた検査や処置で起こることがあります。
例としては、太い血管である鎖骨下静脈や内経静脈の穿刺、気管支鏡検査やCTガイド下生検、CTガイド下マーキング等が原因となります。
- 月経随伴性気胸
- 女性特有の、月経の前後に起きることが多い気胸です。原因として子宮内膜症が考えられており、肺や横隔膜に子宮内膜が存在するために起こるとされる病気です。
月経に際して子宮とは別の部位でも子宮内膜の剥離が起こるとされており、肺や横隔膜で起こると気胸になることがあります。女性気胸では、必ずこの疾患の可能性を頭に入れておく必要があります。
症状
胸痛、背部痛、呼吸困難、咳などがあります。さらに胸腔内にたまる空気の量が多くなると緊張性気胸という状況になります。その場合、胸部への圧力が高まり、心臓に戻る血液が減少し、ショック状態になることもあります。時に症状はなく、画像検査で偶然発見されることもあります。
検査
まずは胸部レントゲン検査を行い、気胸の有無や重症度を確認します。
原因検索目的、詳細な情報を得るためにCT検査を行うこともあります。
気胸の重症度
胸部レントゲン検査で、肺が縮小した割合によって、軽度、中等度、高度など判定します。
治療方針
本人の状態や、基礎疾患、重症度などによって様々ですが、
①安静、経過観察:自然に穴がふさがるのを待つ。
②穿刺脱気:胸に針を刺して、胸腔内の空気を外に逃がし肺を拡げた後、針を抜いて穴がふさがるのを待つ。
③胸腔ドレーン留置:胸腔内にチューブを挿入し、空気を持続的に外へ逃がす。
④癒着療法:胸腔内に薬を入れて肺の穴をふさぐ。
⑤手術:全身麻酔を行い、原因となるブラを切り取ったり、穴をふさぐ処置をする。
といった方法があります。
愛媛大学との連携
南松山病院の呼吸器外科部門は、愛媛大学附属病院「呼吸器センター」と完全にリンクした新しいコンセプトの「呼吸器センター」として開設されており、今までの医療システムと異なり、この二つの施設間はほぼシームレスにつながるシステムとなっております。
つまり、進行した症例、高難度手術、基礎疾患でリスクの高い方などについては、愛媛大学病院で手術を行ったり、外科医師の援助のもと、安全に手術を行うことができるようになっています。術後、当院に転院してリハビリテーションを継続することも可能です。また、大学病院以外の高次施設や基幹施設とも連携して診療をすすめ、必要であれば紹介や、さらに術後の療養や経過観察についても協力していきます。
健康診断
現または元喫煙者や、せき、胸の痛み、息切れなどの症状で肺がんの心配をされており、検査を受けたことがない方には、胸部CT検査をおすすめいたします。
早期のがんはレントゲンではわからないことも多く、他の理由で撮影されたCTでたまたま発見されたケースも珍しくありません。また、定期的にCT検査を受けたい方には、放射線量をおとした低線量CTを行い、総被ばく線量を抑制するように努めています。
呼吸器内科分野
呼吸器内科は、外来診療が受けられます。
肺癌、肺気腫(COPD)、呼吸器感染症、気管支喘息、間質性肺炎、慢性咳嗽などの疾患の診療に当たっておりますので、受診希望される方は外来にご相談ください。
当科の目標
呼吸器内科は、外来診療が受けられます。
- 01 侵襲の低い胸腔鏡手術を治療の中心とし、早期の生活・社会復帰を目指します。
- 02 十分なインフォームド・コンセントを行います。
- 03 最新の知見をもとに診療の質向上、地域医療貢献に努力します。
- 04 大学病院、基幹施設、かかりつけ医などとの円滑な地域連携に努めます。
